10、伝説のキャバクラ嬢


作詞・作曲 SLAVE.V-V-R

Vocal いろは


今夜
天気は雨
あんたの居ない部屋に
煙草の香りと少し強めの香水だけ薫った

もうあたし何も要らなかった
あんたが居てくれたら

思い出は今日もあたしの眼を覆い隠してく

あんたを生かす為だけの日々は
新宿の夜に塗れてた
色目を覚え
お世辞を学んで
お酒以上の酔いを注いで

それは1年目の夏
「蝶」と呼ばれ始めた

夜の華に愛されて
あたしは舞った

ねぇだけど何も要らなかった
あんたの他には

あたしが望んだ花はきっと
あんただけだから

あんたを生かし始めて5年目
あたしの羽は色を増した
腕を絡ませ
頬を近付けて
只それだけで高嶺の花

あんたが知らないあたしは
男を誑かす悪女
でもね
あんたの為に
演じてみせたの

ねぇだけど本当は泣きたかった
あんた以外には
「かっこいい」や「好き」や「愛してる」を
言いたくなかった

ねぇ聴いて
何を失っても
あんたが好きだから
あんたの吐息や
その香りを守りたかった

10年目
知らぬ内にあんたを蝕んだのは
どれだけお金を掻き集めても
治せないもの

ねぇあたし何も要らなかった
あんたの寝息盗んで生きていく日々が全てだった
それだけで良かった

今夜
天気は雨
20年目
あの日と同じね

聴いて
あんたの事がまだ好きだよ


かつて新宿歌舞伎町の伝説と謳われたキャバ嬢の話をオッサンは始めました。


その伝説のキャバ嬢に自分が似ているという事か。

それはなかなか気分がいい。

そう思いウキウキしだした女の子。

しかし、オッサンは

「いや。その伝説のキャバ嬢に憧れてキャバクラに入店したけど、ある日やってきたドSの客に骨抜きにされちまってメス豚に成り下がった女にそっくりだ」

と言いやがりました。

 

は?

メス豚?

 

怒りに打ち震える女の子。

しかし、オッサンは静かに女の子を見つめながら言いました。


「おめーさんも一緒さ」

 

なにが!?

何が一緒だってんだ!ていうかなんでラーメンの丼ぶりかぶってんだテメー!

 

次!